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トークメモ
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1人目

Laura Owens
1970年生

なんで選んだかというと、作品のバリエーションが多くてカラフル、視覚的に楽しめる要素が多く入りやすい、同時に同時代の感覚がよくわかる、21世紀の画家のモデルになる1人だと思ったから。

・デジタルネイティブ
・フェミニズム
・塗りの多技術

ロサンゼルス現代美術館(MOCA)のアーカイブがサイズ感わかりやすいhttps://www.moca.org/exhibition/laura-owens-2

ホイットニー美術館のサイトには作品解説も。
https://whitney.org/exhibitions/laura-owens

作品れい
https://www.owenslaura.com/piece/lo-187/?e=1276

(さる)

初期作品
・かわいい 色も描かれている世界も絵本のような
・塗りの多様さ 薄塗りから厚塗りまで混在
・もっけいからのサンプリング 長谷川等伯とか

観音猿鶴図174.2 cm x 98.8 cm 大徳寺 13世紀

https://www.owenslaura.com/piece/lo-025/?e=1276

Untitled,
1997, Acrylic and modeling paste on canvas, 96 x 120 inches

(カモメ)
いろいろあるけどこの初期作品もピックアップ

シンプルで

https://www.owenslaura.com/piece/lo-567/?e=1276

(新聞)

Untitled,
2015, Acrylic, oil, Flashe, and screen printing ink on linen,
108 x 84 inches

家の屋根裏にあった昔の新聞の版を使った。たまたま戦時中の時期の新聞。
現在のツールのイメージや典型的な筆跡との合わせ技。

触覚を誘発してくる。

イメージの突拍子ない合わせ方、引用の幅の広さ。

もっけい、ロートレック、ブラシツール、gif、

それらを大きな画面に描く際の的確さ。

ただイメージを描けば良いのではない。
イメージが絵具の扱いそれ自体とマッチしてて魅力的に映っていたら、僕はびっくりして画面を見続けてしまう。

これだけ作風がばらついている作家でも、何枚も見ていると、誰の作品かなんとなくわかるようになってくる。

文字を見たら誰の字かわかる感覚ってある。ああいうパーソナリティを、絵画も持っている。

2人目

岡崎乾二郎

1955年生
私は抽象画を描いているので、さらに抽象よりの話をしてみたい。

ゴリゴリの抽象画の部類に入る、岡崎乾二郎さんの作品を。

なぜ選んだかというと、ファンダメンタルズを知ったきっかけが初年度の岡崎さんのトークだったこと。抽象画を考える上で僕自身が大きな影響を受けたこと。実際の小さい作品を持っているから説明しやすい。

いろんな作品シリーズの中で、今度は小さいサイズの「ゼロサムネイル」シリーズを見てみる。

https://kenjirookazaki.com/jpn/works

https://kenjirookazaki.com/jpn/works/2014-020

右と左の距たり(たましいは相も変わらず)

2014│アクリル、カンヴァス│24.5×16.5×2.9cm

「Painting」→ 塗りの芸術 ペタペタした感じ

塗り自体が特徴的な、手持ちの作品をライブでみてみる。

触感がすごい。

真ん中でエリアが違うな→色と筆の境界がある

でもどちらにも現れる色の筋があったり

ハジからハジまで伸びてる痕跡が下の層に隠れていたり

透明な下塗りも右左では共通していたり

額みたいなのがなんで上だけ見えてるの?

上だけあることで逆に存在感がある。絵の構図の一部に。非対称。

裏にまで回り込んでる。額というか台座のようでもある。そうすると絵がオブジェにも見えてくる。

一つの木から切り出している。→継ぎ目がないこだわり、安易な造形を避けているような。

左下から2列目、オレンジがめくれているように見えるのどうやってるの?

なまじ絵描きなので、どんな粘度の絵の具をどう塗るとこうなる、というのがある程度はわかるが、この作品はそれがトリッキー。

こう見てると、モチーフがなくても、気になるところがたくさん出てくる。痕跡自体がモチーフの代わりになっているとも言える。

パズルのように考えられるが、解けてスッキリというものでもなく、謎が何周もループする面白さがある。

分断の構造を揺るがすようなアプローチ。現実で分断を感じた時にもフィードバックできそう。

目で触る。視触覚という造語り。

なので、実物の前に立たないとなかなか絵の鑑賞体験を伝えるのは難しい。

今日扱う3つとも自分で直接体験してるものに限っている。

何度も修正したり重ねたり探って探って描いていくと、余計な筆跡が残ったり、絵具のダマができたり、もたついて見える。その葛藤がそのままイメージとマッチすればいいけれど、オーウェンズや岡崎の作品はおそらく、イメージに関しては、そういうもたつきが画面にもしあったらかなり邪魔な要素になる。

抽象画 見覚えのあるモチーフが手がかりにならない→何を描いてるかわからなくて難しく感じる要因の一つ。

わからなくても「色が綺麗だね」などは一つの乗り越え方。

しかし、虹とか夕焼け、宝石とか、色が綺麗なものは世の中にたくさんあるので、それ以上の何かを見出したいと僕は思ってしまう。その際に、まずは画面で起こっている状態を観察するように見ていく。事実がある程度揃ってから、作られたものの周辺の情報や、主観的な判断を加えていく。

3人目

スーパーマリオブラザーズ(1985)任天堂

ディレクターは宮本茂 1952生
やはり僕が最も尊敬するアーティストの1人。

絵画と言っていいのか微妙なラインだが、絵画的な要素はたくさんあるということと、僕の幼少期に人の創造物で最も衝撃的だった作品ということで選ぶ。あと今映画も話題になってるので。スーパーマリオブラザーズ。マリオを絵として(アニメ表現)としてみてみる。

プレイ動画を見る。

ハテナブロックの立体感と点滅。

ブロックの採用 抽象的アプローチの象徴。

ハテナ

→上から叩くと一度だけバウンドする バネのように→硬いけど謎の質感がある 四隅に成形の窪みあとと、ハテナ記号の立体感→3の謎背景に応用

レンガブロック

→スーパーマリオになると壊せる→少し柔らかい

クリボー
→しいたけ、上からふむと「モフ」とつぶれる→柔らかい

メット、キラー→
ファイヤが効かない、硬い、鉄、光沢

硬度や質感の見立ての表現で触感を与える。

絵の抽象度というか記号度合いが高いので、その分フィクションとしての触覚表現が機能しやすい。

可塑性の話で一貫できる?

事実を細かく感知していくこと、そこから得られたことから分析していく 美術と科学も似てる?
美術は自由に楽しむというイメージが強すぎて、もちろん自由にみてもいいけど、自分の体験を元にすれば、自由にみているだけではめちゃくちゃ曲解したり、美術の面白さにここまでハマらなかったと思う。