YUKI YAMAMOTO山本雄基

作家ステイトメント 2012

山本雄基 / 2012
僕の日常には、常に便利で興味深い仕組みが入り込んでいます。
例えばインターネットや、
進化しすぎたポップなエンターテイメントなどです。

それらは日常を豊かにしているように思いますが、
同時に新しい種類の、
見えない事、見えにくい事、大事なことを意識できない仕組み、
などもたくさん発生しているように感じます。

僕はまず、それらを肯定も否定もせず、
存在するバランスを絵画によってユーモラスに表現したいと考えます。




僕の絵画は透明な約10層のレイヤー構造になっており、
絵画の中にわずかな現実的な奥行きの空間が発生します。
そして、カラフルでシンプルな形が、複雑に交錯します
(最近は、円形のみを使用しています)。

画面の中で形が重なり、混ざって行くことで
だんだん何を見ているかわからなくなります。
そこに、心地よさと不安さを同時に含ませたいのです。



絵画空間を創造することで、僕はほんの少しの本当のことを見つけたい。
おそらく、過去の美術作家は、各々の時代に各々の方法で、
ほんの少しの本当のことを見つけたと思うのです。